2017年 03月 28日
昨日入手したトミックスのJRキハ82系(ひだ・南紀)ですが、トミックスHG(ハイレグ)ならではのユーザー付けパーツの多さにウンザリしたのかどうかは兎も角、実車についてお約束通り少々触れてみたいと思います。 本アイテムは見た目が国鉄色のまんまながら、先頭車腰板のオレンジ色のJRマークが時代考証を主張するアイデンティティ。それ以外にも、キハ80中間車の非出入台側にある非常口窓を廃し、隣接する普通小窓と一体化のうえ大窓に改造されたり、キロのやはり非常口窓を廃し拡大のうえ普通窓に改造されたりといった、後天的改造のポイントも表現されています(但しこれらの改造は全車施工ではないようです)。 ※「鉄道ファン」誌通巻№339より転載 本アイテムはウチ的に平たく言うと「キハ82海ナコ晩年仕様」となりますが(何 やはり後継車であるキハ85系との共演を楽しみたいもの。というわけで画像に出したのは「鉄道ファン」誌年イチの特集における車両配置表で、1989(平元)年4月1日時点の名古屋車両区配置のキハ82・キハ85の欄を抜粋したものです。この時点ではキハ85系は「ひだ3号/8号」の1往復のみでの運用であり、大量増備への見極めが成されていたものと察します。 そして本アイテム附属のインレタです。収録車番は以下の通り。 キハ82・・・74 76 82 84 89 90 93 96 97 105 キハ80・・・98 99 101 103 114 119 120 125 127 129 133 136 キロ80・・・44 47 56 59 60 インレタの収録車番は先の配置表と対照させても妙なところが無いので一安心?ですが、ユーザー付けパーツの一つである無線アンテナの装備箇所が2パターン存在するとのことで、とはいえ車番毎のパターンは当然マニュアルでは触れてないわけで・・・新たな頭痛の種発生か? しかし某巨大掲示板の書き込みに加え、web上での画像検索により、僅かばかりの車番でそのパターンが判明しました。おことわりですが、このパターンについての正確性は保障できず、それにより第三者が屋根板への開孔を行い生じた如何なる損害について、当方では一切の責を負いません。正確性を求めるのであれば自身で確認して下さい。 ※「手前」は前頭部寄り、「奥」は連結妻寄り 車番は全てキハ82でインレタ収録分のみ 「手前」・・・74 76 82 90 96 97 「奥」・・・89 105 続いては、平成元年に発行された「探検鉄道」シリーズの「名古屋圏(JR)他」から情報を抜粋してみましょう。編著者は特定旅客です(爆 尚、以下の画像は全て本書からの転載であり、また後述しますが本文を大幅に引用する部分があります。 このシリーズ、関東モノもありそちらは栄図書館(旧地元)で目を通しました。当時は厨房だったので月刊誌の「鉄道ファン」以外の本書を、どのようにして入手できたのかは不明です。 (ひだ・南紀)セットは5両編成ですが、巷間では「2セット買わないとマトモな編成にならない」という見方もなされているようです。確かに「ひだ」は6両編成、「南紀」は4両編成が各々の基本編成両数とのことですから、2セット求めればムダ無くそれぞれの基本編成両数が仕立てられます。しかしウチは「ひだ」だけでイイですw では、5両編成の「ひだ」は存在しなかったのでしょうか? 無論、そんなことはなく・・・ 1セットでも楽しめます。 確かに丼門の某店員はレビューでは2セット買いを推していますが(爆 他方、「南紀」はやはり4両が画になっています。 実際には「南紀」でもシーズンには増結されて6両編成であったり、「ひだ」にしても7~8両編成となるケースもあったようです。これは個人的といかウチの事情ですが、長編成は既保有のカトー製が担当していますので、富製の本アイテムは短小編成のままで逝きますw 続いて名古屋港線、即ち臨時駅「ナゴヤ球場正門前」への観客輸送の一翼をキハ82も担っていたわけで、ここに触れる事とします。 「ナゴヤ球場正門前」駅に関してはwikiナントカでも触れられていますが、記述内容が本書と異なる箇所があり、その正確性について断じる事は出来ないものの、素人が寄ってたかって纏めただけのwikiナントカよりは、特定旅客とはいえ(爆 交通ライターである編著者が纏めた本書のほうに信頼が置けると考えるのが、自然な事と思います。 以下、本書における「名古屋港線」の項を全文引用します。 (以下、引用) ~ナゴヤ球場へのホームラン列車~ JR東海が昭和62年7月から始めたアイデア商売「中日ドラゴンズ観戦列車」、2年目の63年はドラゴンズがセリーグVに輝くなど、まさに〝満塁ホームラン〟といった感触で、営業陣はニコニコ顔である。 ナゴヤ球場へは年間170万人のファンが集まり、その約30%、50万人を名鉄が運び残り半分はマイカー利用である。JR東海では民営化後「地域密着」を強調しており、地元の人たちに喜んでもらえる企画作りに懸命で、その第一弾が「中日ドラゴンズ観戦列車」だった。 ナゴヤ球場のスグ前をJR貨物の臨港線(名古屋港線)が走っており、昭和30年代には球場正門前に簡易ホームを設け、同線貨物列車の最後部に客車を連結して観客の便を図ったこともあったが、わずか1往復でデーゲームの時だけ、その後は臨港線自体が斜陽化し、このサービスも昔語りになっていた。 ところが、民営化後3ヶ月目の昭和62年7月1日、意欲満々のJR東海は、往時の思い出を現代風にアレンジしてこれを復活!。ナゴヤ球場正門のスグ前に135mの6両用ホームを仮設、ナイター開催日に試合開始前5本、終了後は6本の臨時列車を名古屋駅と球場正門前間に運行、増収と乗客の信頼獲得を賭けた大車輪サービスを始めたのだった。 名鉄「ナゴヤ球場前」駅は球場から徒歩15分。「ナゴヤ球場正門前」駅は駅名のごとく正門のスグ前、須田社長を始め、本社勤務の幹部職員までもが呼び込みに懸命のJRに乗客の心が傾くのも当然である。特に落合効果でドラゴンズが好調だけにファンの期待は大きく、62年は2位、63年はリーグ優勝を果たしたのだから、このアイデア商売も〝満塁ホームラン〟と申しても過言でないだろう。 名古屋~ナゴヤ球場正門前間は、山王信号場までの1.8kmを中央本線、ここからJR貨物の名古屋港線(通称=臨港線)に乗り入れ、0.7km地点がナゴヤ球場正門前駅だ。同区間は全線高架のため、残念ながら走行シーンの撮影は不可能で、ナゴヤ球場正門前駅への進入、または停車中を狙うことになる。長~い駅名となった同駅々名板と列車を組み合わしてみるのも作例の一つだ。 なお、同線列車は試合終了後、6本を続行運転するため、待機スペースの都合上全列車を終点名古屋港駅まで回送させている。ナゴヤ球場正門前駅の南方、八幡信号場から先は地上または築堤を走るため、絵になるポイントは多い。市街地の貨物線を旅客列車が走るのだから、どこで撮っても楽しさいっぱいである。 車両は名古屋車両区のキハ58・65系の4~6連の他、特急「ひだ」「南紀」の運用間合でキハ82系も活躍、グリーン車も開放しての大サービスの他、一部列車には「頑張れドラゴンズ」のヘッドマークも付いている。ナイターの時は行きの列車、デーゲームの時は全列車が撮影可能。ちなみに名古屋港線の貨物列車は、火木土の週3回、1日1往復の運転で、稲沢区のDE10がけん引している。 ~回送区間は客扱い区間の約2倍~ ナゴヤ球場正門前駅は名古屋駅から2.5km、中央本線山王信号場から0.7kmの地点。この数字を見る限り一列車でのピストン輸送、いわゆるハタ折り運行でも間に合うはずだが、試合終了後は短時間に6本の列車を続行運転して乗客をさばかねばならず、列車6本分の待機設備が必要になる。 しかし貨物専用の臨港線では、こうした設備が終点の名古屋港駅にしかなく、球場行きの列車は前半はピストン輸送で賄うものの、帰路用6本は全列車を名古屋港駅まで回送する。正門前駅と名古屋港駅の駅間は5.5kmもあり、客扱い区間よりも回送区間の方が長いという珍現象をもたらしている。 JR東海はJR貨物に線路使用料を支払っているが、わずか2.5kmの輸送、それも客扱いするJR貨物への乗り入れ区間は0.7kmなのに、臨港線全線6.2km分の線路使用料を支払ってのこの商売、それほどうま味があるとは思えなかった。ところが実際にふたをあけてみると連日積み残しが出るほどの人気で、国鉄時代には考えもつかなかったことが、民営化後の意気ごみが実を結び、増収に結びついた成功例に発展したのである。 ~日本シリーズの恩恵~ 1988年のセリーグVに輝いた中日ドラゴンズ。10月22・23日に行われたナゴヤ球場での日本シリーズ戦でも、車両をやりくりして観戦列車を運転した。 日本シリーズでも特急「南紀」の間合運用でキハ82系が入ったが、貨物線を走る特急車両を白昼堂々撮影可能にしたのは、まさしくドラゴンズ優勝の恩恵そのものであった。日本シリーズは4勝1敗で西武が日本一の栄冠に輝いたため、29・30日に予定されていたナゴヤ球場でのゲームは幻に終わり、貴重なシーンの再現は今後のドラゴンズの活躍に期待するところ大となったのである。 ちなみに勝負は水物、明日は明日の風が吹くだけに、名古屋港駅ヤードに集まった6本の列車を前に、〝貴重な一コマ〟にと、記念撮影をする乗務員らの姿が印象的だった。 (引用おわり) ※ナゴヤ球場正門前駅は、1994(平6)年に廃止となりました。 素晴らしい動画も残っています。 100系新幹線とキハ82のクロスとか、涙モノです・・・。 / /
by odoriba96
| 2017-03-28 18:05
| 9ミリ(気動車)
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Comments(3)
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ねずみのはむちゃん
at 2017-05-04 22:45
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odoriba96様、こんばんは、ねずみのはむちゃんと申します。
ひだの基本編成と南紀の基本編成は、98214TOMIXのJR キハ82系特急ディーゼルカー(ひだ・南紀)セットが1セットで再現可能ですよ。 1986年11月1日よりの基本編成では以下のようになっています。 ←岐阜・名古屋 ひだ:キハ82+キロ80+キハ80+キハ80+キハ82 1990年3月10日にキハ85系全面置き換え迄は、ひだ編成は基本5両ですね。 南紀:キハ82+キロ80+キハ80+キハ82 変則パターンを考えれば確かに2セット必要な場合もありますが、私は南紀につきましてはこの4両が基本と記憶しています。 ただ単に、1セットしか買えなかった(HGなので高いけど価値はありますね、ホームライナーみえのマークもついていますし)ひがみかもしれませんが(笑)、でもシートモケットは1985年頃からキハの回転式クロスシートが急速に転換式クロスシート化されていきました。 1980年以降キハ82とキハ80の名古屋区転入は鹿児島と向日町からの転入で、1986年11月にキロ80が函館から4両転入です。 ですので5両編成のひだこそ基本編成ですね。
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ねずみのはむちゃん
at 2017-05-04 23:50
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odoriba96様、私もJR東海以降後の南紀を再現しようと考えています、南紀は4両ないし5両増結を考えています。
基本は←名古屋 ①キハ82+キロ80+キハ80+キハ82 ②キハ82+キロ80+キハ80+キハ80+キハ82(増結バージョン) ですね。 ところが、IMONの店員さんの言うには以下の編成があったから(らしい)かな?推測、南紀4両基本は正解ですが、ひだ6両基本は間違いです。 ③キハ82+キロ80+キハ80+キハ82+キハ82(これだと輸送効率悪いしアンダーパワーになるので、私は見たことありませんね) 丁度良く1セットで基本編成が組めるようになっていて、私はコレでいいかな~って満足しています(笑) odoriba96様も、楽しんでくださいね、では失礼いたします。
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odoriba96 at 2017-05-05 20:47
>ねずみのはむちゃんさん
はじめまして。詳細ありがとうございます。 ハチマル、カッコイイですよね~。ウチは実車の現役を見る事は叶いませんでした。辛うじてというか、動態保存後の御殿場線での運転時に接する事は出来ましたが・・・やはり現役の姿を見たかったです。 9ミリではカトー製も富製もいい仕事していますね。富の「南紀/ひだ」セットではインテリアが茶色成型で、185系電車よろしくの転換クロスシート仕様となっているのがさすがです。他方、実車ではオリジナルの濃紺色の回転クロスシート車は自由席車とし、転換クロス車を指定席車として采配していたような記録もあります。 何あれ、久々の新品セットでしたが、とても満足できるお買いものでした。 偶に狭い工作机の上に編成で並べて、悦に入っていますw |
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