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赤い電車は臼い線

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2016年 03月 05日

我が記録の「スハフ32 2357」

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先日の入線、そして先日のレビューとなったカトーの「スハ32系 中央本線普通列車セット」ですが、カトーが漸くスハ32系モデルを世に送り出した事を記念し、現在唯一の動態保存車であるJR東日本・高崎車両センター所属のスハフ32 2357を、手許にある幾葉かの記録で触れたいと思います。

600mm幅の狭窓がズラりと並んだビジュアルは、オハ35系以前の鉄道黎明期を彷彿とさせるもので、他方、20M級の車長は車両の大型化の嚆矢とも言うべきで、まさに鉄道近代化の橋渡しを担ったような存在・・・それがスハ32(スハフ32)なのです。

実車の世界では1984(昭59)年12月に郡山客貨車区(仙コリ)所属のスハフ32形2両が廃車となって以降、前述の高崎車両センターに動態保存車として残るスハフ32 2357が車籍を有す唯一の存在であり、静態保存車で見ても都内小金井公園のスハフ32 2146がこれまた唯一であり、稼動状態の動静を問わなければ全宇宙で現存僅か2両の存在、それがスハ32(スハフ32)なのです。
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・1992(平4)年12月6日 品川 1-3位側

時に90年代頭のこの頃、ウチは未だティーンエイジャー。しかし既に旧客にメロメロでした・・・完全にビョーキですw
それはさておき、本項では敢えてスハフ32 2357の記録紹介に留めますが、これが連結された「ミステリーレトロトレイン」、その走行経路も興味深いものですが、この品川時点での組成は何と、下り方からEF58 122+旧客+EF58 89だったのです!

言わずもがな、ゴハチの122号機はJR東海の所有・・・。片エンドの89号機はJR東日本の所有という、今となっては考えづらいJRグループ異社間における機関車貸借により、このシブい茶色に統一されたプッシュプルトレインは実現したのです。しかし、異社間の貸借言うても、この時よりも大分後に「意外な」ケースがあります。思い浮かびますか?

それはJR西日本によるリバイルトレインで、往路:夜行「月光」、復路:昼行「しおじ」だったと記憶していますが、これが何とJR東日本の青森の原色の583系の充当だったのです。表面上は団臨の間合い運用の体でしたが、そうは言うても西日本が無断で山陽路の長駆走行に他社の車両を駆り出せるであろうはずもなく、当然のように事前の承諾あっての事と思います。ですから今でもこういった他社間の車両貸借は特定の制約を別とすれば、決して不可能ではないのかも知れません。ただ、諸手続きや根回しが面倒なのでしょうね。
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・2001(平13)年10月6日or8日 会津柳津 2-4位側

閑話休題。
こちらのスハフ32 2357は、只見線における初の蒸機復活運転である2001年秋期の「SL&DL会津只見号」運転時のものです。三等を表す赤色の等級帯を巻いた出で立ちは戦前期をイメージさせる似非レトロのそれですが、これは結局評判が芳しくなかったのか(ウチも嫌いでした)、その後は等級帯無しに復されました。

この等級帯ついでに申しますと、戦前期のそれは、一等=白帯、二等=青帯、三等=赤帯の表記でしたが、皮肉にもペンキのコストは真逆で、最も高額なのが赤色、次いで安いのが青色、最も安いのが白色であったというエピソードが残っています。
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・2004(平16)年4月25日 郡山 2-4位側

高崎のDE10 1705が牽引した「新緑あぶくま号」に連結されたスハフ32 2357。先の「SL&DL会津只見号」とはうって変わって、茶色一色の綺麗な出で立ちに衣替えしています。このように、動態保存車となって以後も善し悪しはあれど、等級帯の有無といった変転を見せていたスハフ32 2357。既に車齢78年(1938(昭13)年梅鉢製)・・・いつまで持つか予断は出来ませんが、その600mm狭窓の美しいビジュアルが、末永く本線上に健在であって欲しいと願わずにはいられません。

by odoriba96 | 2016-03-05 22:13 | 記憶のレール(国鉄・JR) | Comments(2)
Commented by 黒猫 at 2022-10-13 12:59 x
はじめまして  懐かしいですね

私の実家は磐越西線が走っており、自分の高校時代、毎日のようにスハフ32に乗車してました
勿論2357も2146何回も乗車してました

懐かしい写真、ありがとうございました
Commented by odoriba96 at 2022-10-13 14:31
>黒猫さん
はじめまして。旧い記事で恐縮です。
現役のスハフ32への乗車、すてきな体験ですね。
90年代~00年代頃はJRグループでも動態保存の旧客が活発だった記憶がありますが、
既にスハフ32 2357も車齢80年超・・・月日な経過はあっという間ですね。
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